アペリア誕生とスガモトテントのものづくり

スガモトテントが開発したカーテンシャッター「アペリア」は、20mを超える大きな開口部を安全かつ効率的に仕切ることを可能にした画期的な製品です。従来の重量シャッターの課題を解決するため、2010年に誕生したアペリアは、分割構造による軽量化と簡単な施工、そして高いメンテナンス性を実現。女性や高齢者でも扱いやすい手動式を採用し、安全性と操作性を両立しています。さらに、1mごとにキャンバスのデザインを自由に選べる高いデザイン性も兼ね備え、国内外の様々な現場で活躍しています。アペリア誕生の背景からその特長、そしてスガモトテントの製品づくりへの情熱に迫ります。

ーまずアペリアはどのように誕生したのか教えてください。

菅本社長

大きな開口部を仕切る製品は昔から課題でした。10m程度なら重量シャッターがありますが、20mを超える開口部に対応できるものは世の中にありませんでした。
そこで当社は2001年に「パワーカーテンシャット」を開発しました。力強いカーテンで仕切る発想で、石川県のブランド製品に認定されました。しかし、設置には重機が必要で危険が伴い、メンテナンスも容易ではないという弱点がありました。
その課題を解決すべく全面的に見直し、2010年に誕生したのが「アペリア」です。石川ブランド銀賞を受賞し、翌2011年には特許も取得しました。

ー前身の商品「パワーカーテンシャット」があって、アペリアという商品が開発されたということですね。シャットと比べてアペリアはどこが優れているのでしょうか?

菅本社長

最大の特長は「分割構造」です。アルミポールを主軸に1mごとにキャンバスを取り付けることで、軽量で安全、しかも現場で簡単に仕上げられるようになりました。
以前は設置に重機が必要で、場合によっては死亡事故のリスクさえありましたが、アペリアでは安全性が格段に向上。搬送・施工コストも削減でき、壊れた部分だけを交換できるためメンテナンスも効率的です。

ー なるほど!施工やメンテナンスの面で、軽量化はすごく大切なのですね。改めて、軽量化や操作性のポイントについて教えてください。

菅本社長

アルミポールは60mm角の押し出し材、キャンバスは1㎡あたりわずか560g。だから女性や高齢者でも無理なく扱えます。さらに電動式ではなく手動式にすることで、誤作動による事故を防ぎ、安全性を高めています。

ーこだわりのポイントとして、デザイン性にも特徴があるのですよね。

菅本社長

はい。アペリアは1mごとにキャンバスを変えられるので、透明・不透明・カラー、不織布調など自由に選べます。屋外・屋内どちらにも対応し、アルミポールも色替えが可能です。
実際、世界的自動車メーカーには透明キャンバスをご採用いただきました。外部から作業の様子を見せつつ、内部環境を改善できたと高評価をいただいています。

ー ちなみに他社にも同様の製品はあるのはあるのでしょうか?その上でのアペリアの強みを教えてください。

菅本社長

重量シャッターは防犯性では優れますが、施工が大変ということと、コストも高く、アペリアの代わりにはなりません。その対称にあると言っていいものとすると、アコーディオンカーテンもあるのですが、あくまでも、屋内のインテリア用で外気を防げません。
アペリアは分割取り付けと三位一体構造という特許技術を持ち、唯一無二の存在です。

ーアペリアは、特許も取得しているのですね。分割で取り付けることや軽量化が唯一無二であること、そこにすごい技術が詰まっていることを知ることができました。
ちなみにテント会社がシャッターを作るようになったのはどういうきっかけがあったからなのでしょうか?

菅本社長

原点はテントにあります。当社は「タワーサイン」という商品でアルミフレームとキャンバスを組み合わせた構造を開発していました。その技術を応用し、「もっと役立つ仕切りを作ろう」と挑戦した結果がアペリアです。70年近い経験と知恵から自然にアイデアが生まれてきました。

ーへー!自然にアイデアが生まれてくるのですか。それも70年近くの知識と経験の賜物なのですね。ちなみに生まれたアイデアをどうやって製品化しているのですか?

菅本常務

発想を図面に落とし込み、試作し、現場で検証する。その繰り返しです。思い描いた通りにいかないことも多いですが、そこに楽しみやワクワクがあります。だからこそ次々と新しい製品を生み出せるのだと思います。

ーすごく難しそうなことなのに、そこにワクワクを感じられるのですね。こういうところに、スガモトテントの原点が隠されているような気がしました。改めて、スガモトテントが選ばれ続ける理由は何でしょう?

津幡

施工現場に寄り添った製品づくりです。エンドユーザーはもちろん、設置する業者さんが「使いやすい」と思えることが大切だと考えています。

菅本常務

私たちの信念は「役立つ製品づくり」です。アペリアを全国に広めたときも、お客様の要望を決して断らず応えてきました。その結果、「菅本に言えば必ず答えてくれる」と信頼をいただけるようになりました。

菅本社長

そして私たちの合言葉は「ワクワク」です。「タワーサイン」、グランピングドーム「ドーマー」、間仕切り「キープ」など、テント素材の可能性を追求し続けています。お客様も従業員もワクワクできる製品を、これからも生み出し続けていきます。

ーありがとうございました!

スガモトテントは、70年近い経験と知恵を活かし、「役立つ製品づくり」と「ワクワク」を合言葉に、お客様と従業員が共に喜びを感じられる製品を生み出し続けています。アペリアに代表されるように、施工現場に寄り添った製品開発と、お客様の要望に真摯に応える姿勢が、スガモトテントが選ばれ続ける理由です。これからもテント素材の可能性を追求し、新たな価値を創造していくスガモトテントの挑戦にご期待ください。